2つの世界遺産を抱える謎の島、パラワン
2015/03/26
フィリピン最後の秘境と呼ばれているほどまだ未開発な島であるパラワン島。
フィリピンの西側に位置し、いまだに多くの場所が手つかずの自然が残るなど、フィリピンの中でも未開の島です。日本ではエルニドやクラブパラダイスといったようなリゾートアイランドが有名ですが、実はパラワン島は開発されたリゾートエリアだけでなく、開発されていない自然のままの美しさを感じられることが大きな魅力です。
真っ白な砂浜に寝そべって誰も来ない海辺で昼寝を楽しむ人や、カニや魚の幼魚がたくさんいる“海のゆりかご”マングローブで新しい生き物の発見をするなど、様々な楽しみ方があるパラワン島の魅力を紹介します。
パラワンってどこにあるの?
パラワン島及びその周辺にある1708の小さな島々でつくられているパラワン州ですが、フィリピンの最西端にある州で、面積は14,896.3km2と日本の四国ほどですが、フィリピン最大の面積をほこる州です。南北の長さ397km、東西の幅の平均約40kmと極端に長細いフランスパンの様な形をした島です。
実際にパラワンに行くには、マニラより飛行機に乗って1時間15分ほどで島の玄関口でもある州都プエルトピリンセサに到着します。
国内線各社が一日数便ずつ運行しているので、プエルトプリンセサは非常に行きやすい場所でもあります。
またセブからも飛行機が一日数便運行しています。所要時間は55分程と、1時間かからずに移動できてしまいます。
これ以外にもボラカイやエルニド、コロンなど様々な観光拠点へ行く飛行機も就航しています。ただし、季節により休止または廃止になることがあるので、事前に確認するのがベストです。
実は、プエルトプリンセサ空港はマニラへ行くよりもマレーシアへ行くほうが近いのです。そんな事情もあり、観光シーズンを中心にマレーシアのコタキナバルへの飛行機も飛んでいます。
これ以外にも大型客船がマニラから週1便就航。約24時間かけて快適な船旅を楽しむことができます。
フィリピン最大のこの島に住んでいる人の数は約75万人で、そのうちの16万人以上は州都プエルトプリンセサに集中しています。
主な産業
パラワン島の経済を支える主な産業は漁業及び農業です。
特に漁業は、大都市マニラ首都圏で消費される魚の半分以上をパラワンから水揚げされた魚でまかなっている!!という、とても水産資源が豊富な島です。
またパラワンの州都でもあるプエルトプリンセサはキハダマグロが大量に水揚げされ、ここで獲れるマグロは、なんと冷凍しない生マグロの状態で日本へ空輸され、日本人の口へ運ばれています。
マグロ漁のシーズンになると、プエルトプリンセサを出発する飛行機の貨物室には大量のマグロが発泡スチロールに氷詰にされて運ばれます。その量は膨大で、観光客が少なくても貨物のために大型飛行機を飛ばすというほどです。
また、エルニドなどの離島を中心に、リゾートなどの観光業も発達し、多くの人が働いています。
この他にも最近ではパラワン南部を中心にニッケル鉱山も多く開発されています。なかには日系企業が操業する鉱山もありますが、鉱山近辺では治安問題もあり、日本人スタッフは折角の自然を満喫することが出来ません。
食事
パラワンはシーフードが豊富なので、是非とも新鮮で美味しい海の幸を堪能して下さい。
マグロの刺身は勿論ですが、新鮮なロブスターや蟹などもとても新鮮で、かつ驚くほど安い料金で食べることができます。
変わったところでは“タミロック”と呼ばれる珍味はパラワンならではの食べ物。これはなんとマングローブに生息する虫なのです!!
これは日本名でフナクイムシと呼ばれる、ミミズに似た、ちょっとグロテスクな生物です。
でも実は貝の一種で、お皿に入るとちょっと潮の香りが強い牡蠣にしか思えない珍味です!!現地ではバイアグラとも呼ばれるほど精力剤としても有名です。
そのほかには過去に日本の開発援助で作られたワニ園がある関係で、パラワンではワニ料理なども楽しめます。
意外ですが、ベトナム料理を提供するお店が多くあります。これはベトナム戦争終了後、州都プエルトピリンセサにはベトナム難民キャンプがあった名残です。
街中で安価で簡単に手に入るおやつの代わりの身近な食べ物としては、チャウロンと呼ばれるベトナムのフォーや、フランスパンで作るサンドウィッチがあります。
見かけたら、気軽につまんでみてください。
主な見所
2つの世界遺産を抱えるパラワン島。しかしそれ以外にも見どころが沢山あります。
セントポール地底川
世界で一番長い地底川と言われています。全長8.2kmに渡る川のうち、観光客に解放されているのは2km程になります。
地底川の内側は鍾乳洞になっていますが、一番高いところでは高さが65mを超える様な空洞もあります。これは21階建てビル相当で、国会議事堂と同じ程度の高さです。これだけでも、いかに巨大な洞窟なのかが分かります。
バッテリーを使った照明だけで照らされる鍾乳洞内の景色はとても幻想的です。
プエルトプリンセサより車で90分程のサバンと言う街まで行き、街からバンカーボートを使って移動するか(約10分)、またはモンキートレイルと言う獣道を歩いて(約90分)、地底川の入り口へ到着します。
そこからは指定の手漕ぎボートでしか行くことができませんが、ガイドがついてくれるので、指示に従いヘルメットとライフジャケットを着用して地底川へ散策に出かけます。
中に入っている時間は40分程ですが、ガイドの英語による軽快なおしゃべりに英語が苦手で、例え意味が分からなくてもつい笑いが口から出てしまい、時間が経つのも忘れてしまいそうになります。
地底川入り口付近には、巨大トカゲや野生の猿の姿を見ることもできます。
ホンダベイ
プエルトプリンセサ近郊のホンダ湾は名前の由来に様々な説があります。
「ホンダ」と聞くと日本人としてはやはり名前を想像してしまいますよね。そうした説も確かにあって、「そばで操業していた鉱山のマネージャーが本田さんだったから!?」とか、「ホンダのバイクを運んだ船が沈んだから!?」といった嘘か本当かわからないような諸説が沢山あります。
しかし、一般的に有力と言われているのは、残念ながら日本とは関係がなくスペイン語で「深い」と言う意味を持つ語の「ホンダ」からきていると言う説が有力です。
パワラン、特にプエルトプリンセサに訪れる観光客に人気なのが、ホンダ湾に浮ぶ16の島のうち3島程の島を巡るツアーです。
プエルトプリンセサ市内よりホンダ湾の入り口サンノセまで車で20分程移動し、そこからはプエルトプリンセサ市の観光協会が管轄しているバンカーボートでツアーに出かけかます。
色とりどりの魚が泳ぐ島周辺を見るためにも、出かける際にはマスクとスノーケルを持参して(現地でレンタルも可能です)是非とも水中の景色も堪能してください。
ドルフィンウォッチング
プエルトプリンセサ湾沖の空港滑走路周辺海域は、朝早い時間にイルカが沢山見られる海域です。
人懐っこいバンドウイルカで無くハシナガイルカなので一緒に泳ぐことはできません。しかしとてもアクロバティックなイルカなので軽快にジャンプやスピンを見せてくれて、海の上でも拍手喝采です。
残念ながらツアーはありませんが、この海域ではジンベイザメやクジラ、更には人魚のモデルになったジュゴンとの遭遇も非常に多い海域でもあるために、もしかすると偶然遭遇するチャンスもあるかもしれません!!
タボンケーブ
パラワン南部にある洞窟です。パラワンの先住民がこの中で暮らしていました。
最近までは実際に住んでいる人もいたようです。衣装を身につけない民族で、文字を持たないのでコミュニケーションは会話のみという生活でした。
プエルトプリンセの中心部にありパラワン博物館でも彼らの生活を再現した展示が行われているので、興味のある人はぜひのぞいてみて下さい。
エルニド
大理石が切り立ったラグーンがとても美しい島々で、シーカヤックやボートでラグーンを訪れるとその幻想的な海の色と、切り立つ大理石の岩肌がとても幻想的な雰囲気を醸し出します。
日本人が通常イメージするエルニドは高級リゾートですが、実際のエルニド村はとても素朴。ヨーロピアンのバックパッカーが多く居る街です。
コロン
第二次世界大戦の際に日本海軍の輸送船がこの地で攻撃に会い、海の底に沈められました。現在ではその沈船を探索する、沈船ダイビングが盛んな島です。
コロン周辺には多くの小さい島が点在しています。
近くの島の中には、崖を登る必要があるものの、とても透明度の良い湖の様なあるバラクーダレークという場所があります。
島の中にある湖なのに海水魚であるバラクーダが泳ぐなど、場所により淡水と海水が混ざる非常に不思議な光景を見ることができます。
トゥバタハリーフ
ダイビングのメッカ、フィリピンの中でもトップ5には必ず入る素晴らしいダイビングスポットで、世界遺産にも指定されています。常にレンジャーがパトロールを行い環境保護をしている地域です。
スルー海の真ん中に位置するために海況の良い3月から6月のみという非常に短い期間しか行くことが出来ない絶海の秘境です!
海上のためホテルなどはなく宿泊設備の整った大型ダイブボートでしか行くことが出来ません(所要時間10時間程)。そのため通常5泊6日程のクルーズのみと、まさにダイバーのための秘境です。
イワヒグ刑務所
フィリピンでは踊る囚人がいる刑務所が動画サイト上で話題になりましたが、ここパラワンにはなんと“塀の無い刑務所”が実在しており、なんと観光客にも開放されています。
刑務所を訪れ入り口で受付を済ませるとゲートを開けるのもなんと囚人と言うおおらかさ。
本当に塀は無く、刑務所に行くまでの国道沿いにも囚人が蟹を片手に行商をしています。
刑務所内は写真撮影禁止ですが、唯一塀がある”ハイセキュリティーエリア”以外は問題無く見学できます。
刑務所内は囚人の家族も住んでいますので、刑務所内にいることを忘れてしまう空間です。
これ以外にもパラワンの見所は沢山ありますが、州都プエルトプリンセサを中心に見所は沢山あります。
百聞は一見に如かず!!是非自分の目としたで確かめてみてください。
フィリピン・マニラでハイクオリティな日本式リノベーションを。
Tokyo Grand Renovationは、あなたにふさわしいリノベーションをお届けします。