gumiの下方修正にみる、IPO銘柄投資の難しさ
2015/04/03
2014年12月18日上場のgumiが、3月上旬にいきなりの下方修正となりました。
これを受けて2日連続でストップ安となったのですが、IPO投資の難しさを象徴する出来事であったような気がします。
今回は、IPO銘柄投資の難しさについて、解説します。
上場直後に下方修正はないという思い込み
どんな会社であっても、予想通りに進まず、業績予想を下方修正することはあります。
ただ、IPO銘柄に限っては、「上場直後なんだから、上方修正はあっても下方修正はないだろう」という誤った思い込みをしてしまいがちです。
確かに、成長する勢いがあるからこそ、上場することができます。
実際、主幹事証券会社や審査した東証の判断もあるので、「当面、好調な業績になる可能性は高い」と思ってしまうのも無理はありません。だから、今回の一連のgumiに関する騒動は、東証などの責任がないとは言いません。
けれども、私たち投資家も、勢いが続く保証があるわけではないことに注意しておかなければならないということを再認識するべきです。
IPO銘柄はビジネスモデルを理解できるかもポイント
次に、gumiはスマホゲームの会社のため、普通のメーカーなどとは収益構造が大きく違っている点も、ショッキングな下方修正に至った理由でしょう。
スマホゲームの売上は、プレーヤーの課金に頼っています。しかし、ゲームメーカー乱立で群雄割拠のような状態のため、魅力的なゲームでなければならず、数年前と違って多額の開発資金が必要です。
さらに、ユーザーを確保するために、CM等の広告宣伝費の売上に対して占める割合も非常に高くなっています。
有名メーカーだからと言ってヒットするわけでもないため、大手であっても、ユーザーの確保に失敗すると、開発費の回収ができず、突然の業績不振になる可能性があります。
gumiに限らず、新規上場する企業には、新しいビジネスモデルで成功し続けている会社がたくさんあります。
ビジネスモデルや収益構造を多少でも理解しておくと、その会社の問題点やリスクが見えやすくなるかもしれません。
例えばスマホゲームなら、一度試しにプレーしてみるのも、冷静に投資判断をするためのひとつの方法でしょう。
IPOでは「株価=人気」と割り切りましょう
「株価は半年先の景気を映しだす」とも言われることからわかるように、一般に、個別企業であれば、株価は将来の業績を反映したものとなります。
しかし、そこに人の気持ちが介入してしまうので、「株は美人投票だ」と言われるように、人気も反映したものとなってしまいます。
これがIPOの場合、圧倒的に人気を反映した株価になってしまいます。
日経平均採用銘柄の平均PER(2015年3月末現在、約17倍)をはるかに超える50倍や100倍といったPERを記録する銘柄もめずらしくありません。
ただ、「数年後には利益が今の数倍になっているだろう」と予想した買いだけで株価が高騰するのではありません。
上場直後の軽い値動きに注目した短期で利益を狙う投資家達が殺到することも、IPO銘柄の株価を引き上げている理由です。
彼らは、業績を一切見ていません。PERが50倍を超えそうだから様子を見ようと考えるのではなく、短期的な株価上昇で利益を出せそうかが重要なので、人気のある銘柄に集まります。
結果、人気のあるIPO銘柄にはさらに人気が出て、上場直後の株価が異常な高値となるのです。
そして、彼らが次の標的を見つけると、その銘柄の株価は徐々に下がっていきます。
今回のgumiの場合、業績の下方修正、さらに、運転資金の借り入れの公表が遅れるなど、短期的な値上がり益を望めないと判断するきっかけになる材料が集中し、一気に人気と株価が暴落してしまいました。
今のところ、gumiの業績は、回復が望めない状況になったわけではありません(可能性は下がりましたが)。
短期の投資家が去り、一時的には売られる展開になっていますが、ここからは業績もあわせて考えられた株価に落ちついていくでしょう。
IPO銘柄の株価は、
「人気だけで株価が乱高下しやすい時期」なのか、「業績が反映されたものへと移行していく時期」なのかを判断して、それぞれの時期に応じた投資スタンスを取るようにしましょう。
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