個別銘柄の突然の暴落は、「売り時」? 「買い時」?
2015/05/28
先日から、シャープの減資と東芝の不適切会計問題で、株式相場に衝撃が走りました。
あまりのショックに、「早く売ってしまおう」と感じた人も多かったのか、両銘柄ともストップ安となる株価をつけたこともありました。
ただ、慌てて売ってしまっても、近いうちに買い時がやってくることもあります。
今回は、不祥事が報じられても、株価が戻ってくるかどうかの見極めについてお話します。
暴落直後のリバウンドは狙わない
今回のシャープと東芝の問題でも、ニュースが報じられた翌日は、一時ストップ安をつける場面がありました。ニュースをネガティブにとらえ、我先にと売りが殺到したためです。
その一方で、積極的に買いを入れていた投資家がいるのも事実です。
「ここまで下がれば、もう下がらないだろう」と考える、デイトレーダーや短期筋がそうです。
しかし、実は、ここで買いを入れるのは非常に危険です。
第一報で売りが殺到しているため、まだその全体像はわかっていないからです。
ただ値下がりしすぎかもしれないという理由で買っても、さらなる悪材料が出れば、もう一段株価は下がっていきます。
暴落直後のリバウンドは、「リバウンドのリバウンド」を引き起こす可能性もあるため、安易に手を出すことはおすすめできません。
真のリバウンドが来るかどうかを観察する
暴落直後は、マネーゲーム的に相場が動いている可能性があるので、様子を見ます。
ニュースの詳細が伝わってくるにつれて、マネーゲームは終息し、投資家の興味は「今回のニュースが、長期的に会社の経営にダメージを与えるかどうか」に移ります。
もし、不祥事の影響が一時的なものであり、いずれは以前の利益水準に戻ってくるはずだと考えられれば、暴落した時の株価は「超割安」です。
中長期で投資しようとする機関投資家などが、安いところを狙って買い進めることが考えられます。
逆に、会社の経営状態に深刻なダメージを与えるような信用問題が発生したのであればどうでしょう。
会社が顧客や市場の信頼を取り戻すことができるようになるまで、利益の回復は望めません。この場合は、暴落した株価近辺が「適正な」株価水準となっていくでしょう。
リバウンドした実例~オリンパスと関西電力~
必ずしも、上記のとおりの値動きをするとは限りませんが、実際にあった例をふたつ紹介しましょう。
オリンパスの例
まずは、2011年7月に起きた「オリンパス事件」です。
記憶にある方も多いかと思いますが、オリンパスが巨額の損失を長期間にわたって隠し、粉飾決算していた事件です。
これが明るみに出たことで、2500円を超えていた株価は、数か月かけて500円付近まで暴落しました。しかし、その手口が明らかになってくるにつれて、オリンパス製品の市場優位性を損なう事件ではないとの見方が広がっていきました。
結果、アベノミクス前には1500円を超え、今では4000円を超える株価となっています。
関西電力の例
次に、東日本大震災後の関西電力を見てみましょう。
震災後、原子力発電の停止により採算が悪化し、1年半かけて2000円から500円まで株価が暴落しました。ただ、電気料金の値上げもあり、アベノミクス前には900円程度まで回復します。
しかし、その後は円安基調と、原子力発電の再稼働がなかなか決まらず、日経平均株価と比べてパフォーマンスはよくありませんでした。現在は1300円台にとどまっています。
このように、オリンパスは会社の業績に影響を与えない出来事だと判断され、暴落がひと段落した後は、中期的に株価がどんどん上がっていきました。
一方の関西電力は、業績に影響を与える問題点が改善されないままです。そのため、買いが集まるというほどではなかったようです。
今回のシャープや東芝の問題も、株価が回復基調に向かうかどうかは、業績に対する影響がどの程度あるか、先行きが明るいかどうかがポイントになってくるのではないでしょうか。(ただし、シャープについては、増資による希薄化が懸念材料となりつづける可能性があります)
今後のニュースの進展が気になりますね。
※この記事のデータは、2015年5月現在のものです。
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