下げ相場でも利益を出せる、ETF・指数先物取引のメリットとは?-第1回-
2015/06/24
アベノミクスを起点とする上昇で、日々賑わいを見せる株式市場。20,000円を超える日経平均株価は、先日、バブル期以来の12連騰を記録しました。
「上昇は一服だろう」、「まだ上値の余地はある」など、今後の相場に対する予想はさまざまです。しかし、上昇することもあれば下落することもあるのが相場です。
今回は、下げ相場になっても利益を出すことができるETFを紹介します。
ETFとは?
ETF(Exchange-Traded Fund)は、投資信託の一種で「上場投資信託」と呼ばれるものです。
その名の通り、上場されている投資信託のため、個別銘柄のように売り買いすることができます。
通常の投資信託であれば、手数料、信託報酬、信託財産留保額など、さまざまなコストがかかり、わかりにくい仕組みになっています。しかし、ETFは株価のような価格で取引することができる簡単な仕組みです。かかるコストは、証券会社に支払う売買手数料のみです。
※信託報酬等がかからないのではなく、それを反映した価格になっています
欧米では、日本よりも早くから上場されており、取引量も多くなっています。現在では流動性が低い日本でも、今後、存在感を増してくると思われます。
ETFには「下げ相場で利益が出る」ものも
株式投資は、「買って上昇した場合、売ると利益が出る」というのは常識です。だから、下げ相場の時は、一旦手じまいして様子を見るのが定石です。
下げ相場でも利益を出そうとすれば、信用取引をするしかありません。
しかし、近年つぎつぎと上場されているETFの中には、現物取引であっても下げ相場で利益を出せるものもあります。
いわゆる「インバース」と呼ばれるものです。
インバースは英語では「inverse」と表記され、「逆の」「反対の」という意味です。
つまり、基準となる株価に対して逆の動き、「基準株価が下がると値段が上がる」という価格変動をするETFなのです。
現在、取引量の多いインバースETFのひとつ「日経平均インバース上場投信(銘柄コード:1571)」は、2012年に上場されました。
アベノミクス前(日経平均が8,000円台)の価格は6,000円程度でしたが、日経平均株価が20,000円を超える今では、2,300円まで下がっています。
もし、日経平均株価が下落すると、それに相当する程度、価格が上昇する仕組みになっています。
インバースETFの使い方
では、このインバースETFはどのように活用すればいいのでしょうか。
最もよい使い方は「リスクヘッジ」です。
あなたが、「日経平均に連動しやすい」大型株に投資しているとします。
ただ、相場状況が悪くなってきたので株価の下落が心配です。けれども、今年は総じて利益が出ているので、利益確定したくありません。また、配当利回りも高いので、売ってしまうのはもったいないです。
そこで、株価が下落するリスクを小さくするために、日経平均連動型のインバースETFを購入します。
もし株価が下がってしまっても、インバースETFの価格は上昇するので、損失の一部をETFの利益で帳消しにすることが可能です。
再び株価が上昇しそうになってくれば、ETFを売却しましょう。
ただ、個別銘柄と日経平均などの指数の動きは、必ずしも連動しません。保有している企業独自の悪材料で株価が下がった場合、指数はほとんど下がりません。相場全体が下げ基調になった場合にのみ有効なリスクヘッジ手段と考えておきましょう。
リスクヘッジできる金額は限定的
もうひとつの注意点は、リスクヘッジできる金額が限定的だということです。
通常のインバースETFでリスクヘッジするためには、現在の投資額に近い金額分のETFを購入しなければなりません。仮に1,000万円を個別銘柄に投資していて、そのリスクをほぼ全額ヘッジするためには、ほぼ同額のETFを購入しなければなりません。単純計算で、投資総額が2倍になります。
これだけの資金を用意するのは、投資効率がよくありません。
その問題を解決できるのが、「レバレッジ型」のインバースETFです。レバレッジ2倍型であれば、約半分の投資資金でリスクヘッジすることが可能です。
また、指数先物取引を活用すれば、さらに少額でリスクヘッジをすることが可能です。
次回は、レバレッジ型インバースETFや指数先物取引を活用したリスクヘッジ方法を解説します。
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