ネット銀行の高金利定期預金は、いい金融商品なのか?
2015/07/16
最近、ネット銀行で、高金利の定期預金が多く見られます。
銀行預金なので、「基本的な部分は」元本保証です。しかし、「銀行だから安心」と深く考えずに預けていると、思ったほどの運用成果とならない場合があります。どのような点に注意して選ぶべきか、まとめてみました。
短期間の定期預金の注意点
空前の低金利で、メガバンクでは、長期間の定期預金でも年利が0.1%に満たない状態です。
そんな中、ネット銀行では、1か月以内という短期間で預けられる定期預金が注目されています。期間が短いと金利は低くなるものですが、店舗を持たないネット銀行であることを売りにして、「2週間で、年利0.2%」などのような定期預金を提供しています。
ただ、その高金利は、ずっと続くわけではありません。
日々、金利が改定されているため、預け始めたときは年利0.2%だったものの、一度満期を迎えて継続した時の金利は0.05%となっていることもあります。
はじめが0.2%だとしても、1年間預けた場合の利率は、そこからかなり低くなってしまう可能性があります。それでもメガバンクよりは高金利だとは思いますが、「思ったほど増えていないな」と感じるかもしれませんね。
外貨建定期預金の注意点
とてつもない高金利で目を引くのが、円から預け入れた場合の外貨建定期預金です。
たとえば、オーストラリアドルで20%、南アフリカランドで25%などという、信じられないような高金利です。
しかし、注意しておくべきことは、「円から預け入れた場合」ということと「預入期間」です。
※外貨預金は、まず円貨を両替して(手数料がかかります)、外貨預金口座に預け入れます。
「預入期間は7日。円から預け入れで20%、外貨から預け入れで1%」と書かれていたとします。この場合、20%の金利が適用されるのは、最初の7日間のみ。定期を継続する場合は、外貨からの預け入れとなるため、その後の金利は1%です。手数料を支払って円貨に戻した上ででなければ、高金利で預け入れなおすことはできません。
また、元本保証されるのは、あくまでその外貨での話です。日本円との間で、どれだけ円高・円安が進んでいるかは関係がありません。いくら高金利であっても、円安が進んでいなければ、表面上の利率通りに資産が増えることはありません。
そして、忘れてはならないのが、ペイオフです。
1,000万円まで保護されるのは、円貨での預金です。外貨預金は、預金保険の対象外です。
高金利定期預金は、案外複雑です
これらの高金利定期預金は、あくまで一例ですが、比較的簡単な仕組みのものです。
なかには、もっと複雑な仕組みになっている定期預金もたくさんあります。例えば、満期時に解約せずに更新することで金利が上昇するものや、満期になった場合に払い戻される通貨は銀行が決定するものなど、契約締結前交付書面をしっかりと読みこまないと理解できないものが多く見られます。実際、「商品性やリスクが複雑です」と書かれている場合があり、そういった商品は、FXのような特性を混ぜることで高金利を実現させています。
ネット銀行なので、担当者がなんども営業の電話をかけてきたりする心配はありません。しかし、逆に考えれば、仕組みを詳しく知るためには、自分で読んで理解するしかありません。
「銀行預金=元本保証で安全」というのは、単純な預金だけということもできます。高金利をうたっているものほど慎重に検討し、理解できなければ、無理に預け入れることはありません。
銀行預金も投資も、同じ資産運用です。ウォーレン・バフェットではありませんが、「理解できないものには投資しない」が大原則なのかもしれませんね。
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