休むも相場。落ち着いて状況を見極める期間を作りましょう
2015/07/02
現地時間の2015年6月30日。IMF(国際通貨基金)が、ギリシャから15億ユーロの債務が返済されなかったことを発表しました。
その数日前には、チプラス首相がEUが求める財政緊縮策に対する賛否を国民投票で問うと発表し、29日の日経平均株価は3%近い暴落となりました。
このような緊急事態に対して、投資家はどのような行動をとるべきなのでしょうか。
あなたは何を基準に先行きを予想していますか?
今回のギリシャ問題を例に考えてみましょう。
6月の後半は、ギリシャ問題がどのように進むと想定していましたか?
この点について、正しい答えを出すことは誰にもできません。いかに優れた投資家であっても、未来のことなどわかるはずがありません。
しかし、優れた投資家は、冷静な判断をすることができます。数年前にさかのぼるユーロ危機の頃からの流れや、日々変化する交渉の状況などを分析し、より可能性の高いシナリオを想定して行動します。
それに対して、個人投資家の多くが、知らないうちに「自分のポジションを前提にした」予想をしてしまっています。
「(自分は今、買いポジションなので、)ギリシャはデフォルトしない(ことを望む)」
「(自分は今、売りポジションなので、)ギリシャはデフォルトする(ことを望む)」
無意識的に、このような意識が働いてしまうのです。
実際、特に理由もなく、そのままのポジションで7月を迎えた人も多いはずです。
自分なりにしっかりと考えた上で、自分のポジションに引きずられずに結論を出したのであれば、損失が出たとしても納得がいくでしょう。
しかし、よくわからない場合にはどうすればいいのでしょうか。何か対策はないのでしょうか。
わからないときは、ポジション解消も考えましょう
近々大きな材料が飛び出してくることがわかっている。けれども、好材料と受け止められるのか悪材料と受け止められるかがわからない。
そんなときは、一旦ポジションを解消してしまうことも視野に入れてみましょう。どっちつかずのままで材料が発表され、もしも損失を抱えてしまったら、後悔ばかりが残ってしまいます。
ポジションを解消していれば、利益が出る結果だったとしても「ギャンブルに当たったようなものと同じ」とあきらめることもできるでしょう。損失が出る結果であれば、「判断は正しかった」と自信を持つことができます。
次に、ポジションを縮小する方法もあります。
例えば、1,000株保有している場合であれば、500株売却しておくとよいでしょう。それなりに予想に自信があるなら少なめに、あまり自信がないのであれば多めに手じまっておけば、予想通りに株価が動いた場合には、それなりの利益を得ることもできます。
もし、信用取引など、レバレッジをかけた取引をしているのであれば、できるだけ多めに手じまいしておくことをおすすめします。
信用取引で余力いっぱいにポジションをとっている場合は、10%の値下がりで、資産の約3分の1が目減りしてしまいます。ポジションをかなり少なめにしていても、10%程度の資産が上下する可能性もあります。
レバレッジをかけている場合は、より慎重に対応するようにしましょう。
配当狙いなど、ポジションを解消したくないときは
近いうちに配当の権利取り日が来るなど、ポジションを解消したくない事情がある場合はどうすればいいのでしょうか。
その場合は、以前お伝えした記事に書いた「インバースETFの購入」や「日経平均先物の売り建て」でリスクを抑えることができます。
下げ相場でも利益を出せる、ETF・指数先物取引のメリットとは?-第1回-
下げ相場でも利益を出せる、ETF・指数先物取引のメリットとは?-第2回-
保有株のうちどの程度リスクを回避したいのかを考え、その金額に応じたポジションを取りましょう。ただし、この場合、保有株が日経平均株価に連動する傾向にあるということが条件です。保有株は下落したものの、日経平均は上昇した場合には、損失が発生することもあります。やはり、理想はポジションの縮小だと言えるでしょう。
このように、相場の状況にあわせてポジションの大きさを調整するのは、機関投資家などプロの投資家が活用している方法です。プロにならってリスク管理をしてみることも、株式投資上達の近道かもしれませんよ。
フィリピン・マニラでハイクオリティな日本式リノベーションを。
Tokyo Grand Renovationは、あなたにふさわしいリノベーションをお届けします。