中長期の株式投資では「毎日株価を見てはいけない」と言うけれど
2015/08/20
株式投資をしていて気になるのが、「含み損益」です。実際、これが気になって毎日株価チェックをしている人は多いですが、「中長期投資では、株価チェックをしない方がいい」という話もあります。ただ、その本当の理由を知っていますか?
チェックしない目的は「一喜一憂しないようにするため」
中長期投資では、やや大きな利益を狙います。売買する回数が少なく資金をあまり回転させないので、一度に大きな利益を上げなければならないからです。
一度の取引で数十%程度の利益を狙うことになるのであれば、2~3%程度の値動きに振り回されていてはいけません。
けれども、もし毎日株価をチェックして含み損益を確認していると、早く利益確定したくなったり、損切りしたくなったりすることがあるかもしれません。また、場中の株価変動が気になって、仕事が手につかなくなってしまうかもしれません。
だから、日々の値動きで一喜一憂しないようにするために株価チェックを控える方がよいとされています。
ここで再確認しておきたいのが、株価をチェックしない目的です。「毎日株価をチェックしてしまわないこと」が目的なのではありません。「日々の株価に一喜一憂しないこと」こそが目的です。
つまり、一喜一憂しないのであれば、毎日株価をチェックしていても問題ありません。
中長期投資でも毎日株価をチェックすべき理由
むしろ、中長期投資でも、日々の株価は意識しておくべきです。機関投資家やファンドマネージャーは、保有銘柄の株価や含み損益を毎日チェックしてはいませんが、日々の株価は意識しています。
その理由は簡単。
「売買すべきタイミングを狙っているから」です。
彼らも個人投資家と同じく、利益を出すために株式投資をしています。だから、最善のタイミングで取引できるように市場を注視しているのです。
例えば、「3年後には株価が倍になっているかもしれない」と考えて投資した銘柄があるとします。ところが、この企業が不祥事を起こしたとしましょう。この不祥事は悪材料なので、予想したシナリオ通りにいかない可能性が高いなら、売るべきです。けれども、将来的には業績に深刻なダメージを与えるものではないと考えられるなら、一旦売ってしまい、株価が底を打ったことを確認してから買いなおせばより大きな利益を狙うことができるかもしれません。
このような取引チャンスを見逃さないようにするためには、中長期投資であっても、日々の株価チェックが必要となるのです。
毎日何をチェックすればいいのか
最後に、毎日の株価チェックでどのような点に注意すればいいのかをお話します。
チェックするときは、ただ単に株価だけを追いかけていればいいのではありません。ニュースも参考にしながら、「どうしてその株価をつけたのか」を知るようにしましょう。
具体的には、日経平均などのインデックスと保有していない銘柄も含む注目銘柄の株価をチェックするとよいでしょう。(すべてのチェックが大変であれば、数日ごと、1週間ごとでも構いません)
とはいえ、毎日どうしてその終値になったのかを解明するのは大変です。だから、毎日その理由がわかっていなければならないと考えなくても構いません。
「今日は特に株価変動の理由はなく、日経平均とほぼ同じだった」
こんな理由でも充分です。要は、自分なりにある程度説明がつけられればそれでいいのです。また、大きなニュースが出たときは、その材料が株価に長期的に影響するのか短期的に影響するのかも考えましょう。
こうすることで、保有している株式が値上がり(値下がり)傾向にあるのか、今後もその傾向が続くのかが見えてきます。そして、一時的に値下がりしていても浮上する可能性が高いなら、買い増しを検討することができます。逆に、まだしばらく下落しそうであれば、塩漬けにせず売却するべきかどうかを考えることができます。
その結果、あなたの相場観も少しずつ磨かれてきます。そうなれば、「株価をチェックしない中長期投資」よりも、成果を出せるようになることでしょう。
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