NISAが2年目に突入! 大口投資家は何を考えているのか?
2014/12/27
2014年から始まったNISA。
この1年目が終わろうとしています。
NISAの非課税枠拡大が検討されているようですが、2年目以降はどうなるのでしょうか?
個人投資家の拡大を狙うNISAを横目に、個人投資家を狙う大口投資家の目。
そんな視点から、NISAの2年目を占ってみたいと思います。
どうして大口投資家がNISAに注目するのか
日本の金融資産は、そのほとんどが預貯金になっており、NISAはその金融資産を「貯蓄から投資へ」と促すために導入されました。
証券税制の優遇措置が終了することでの市場の冷え込みを抑えるためという側面もあります。
ただ、NISAは個人投資家向けの制度です。
毎年100万円までの投資に限り、その利益に対する課税をしないというものですから、富裕層や大口投資家にとってはほとんどメリットのない話です。
しかし、大口投資家はNISAに注目をしています。
その理由は、NISAでの買いは「短期的な売り材料にならない」からです。
最長5年まで非課税になるため、長く保有しているほうが大きな利益を得られる可能性が高くなるはず。
そのため、「買いっぱなし」になりやすい資金だと考えられるのです。
だから、NISAが導入されてから数年は、NISAがらみの売りが少ないと予想できるわけです。
逆から見れば、多少多めに売っても株価が下がりにくいので、利益確定がしやすいとも考えられます。
大口投資家にとっては、NISA買いに売りをぶつけることができれば、より多くの利益を得られるということになるので、注目しているのです。
2014年の動向を見る~個人投資家編~
それでは、NISA元年の動きを分析しましょう。
投資主体別売買動向のデータを見て、個人投資家の動きから見てみましょう。
参考:http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp
NISAでの取引は、個人の現金取引に表れてきます。これによると、1月は9,000億円もの大幅買い越しです。
1月は株価が軟調だったので、逆張りを好むとされる個人投資家が買いに打って出る絶好のタイミングだったといえそうです。
また、4月以降は売り越しが続いているので、大きなNISA買いが入っているとまでは言えなさそうです。
よって、NISAでの買いが非常に多くなったのは、年明けの3か月までと考えられそうです。
2014年の動向を見る~外国人投資家編~
一方の外国人投資家は、どのように動いていたのでしょうか。
こちらは個人投資家と異なり、順張りを好むとされています。
やはり彼らは、個人投資家が買い越した1月、3月に大きく売り越しています。
しかし注目は2月です。個人投資家が小幅に売りこしているのですが、820億円程度とはいえ外国人投資家も売り越しです。
はじめに書いたとおり、個人投資家によるNISA買いの需要が増すことはわかりきっていたこと。外国人投資家にとっては、一旦の利益確定をする格好の標的だったのかもしれません。
2015年初の値動きに何を考えるか
株価の予想に絶対はありません。しかし、それでも投資家は予想をしなければなりません。
ただ、「確実に起こり得ること」や「すでにわかっていること」があるのも事実です。
その「確実に起こり得ること」が、日銀によるETF買いと個人投資家によるNISA買いです。
また、「すでにわかっていること」はアベノミクスの進行です。
今、衆院選の結果を受けて、日本株の先高感が広がっています。
ただ一方で、過熱感や高値警戒感があるのも事実です。(12月19日現在)
2013年末に似たような雰囲気もありますね。
それでは、この状況で、大口投資家は何を考えているのでしょう。
アベノミクス効果で、中長期的に見て、どこまで株価が上がっていくのかを考えているはずです。
投資主体別売買動向では順張りで表れることが多いので、とりあえずは買い越しの勢いは続くことでしょう。
しかし一方で、利益確定をする場面をうかがう機関投資家や激しい値動きで利益を狙うヘッジファンドもいるでしょう。
彼らが狙うのが、NISA買いの個人投資家です。
来年も、年明け早々にNISA買いが集まるのであれば、上値が重い展開もありうるでしょう。
先高感は変わらないでしょうが、短期的な下げを警戒し、悪材料となるニュースには注意しておくのが良さそうです。
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