2014年12月3日上場 積水ハウス・リート投資法人を分析する
2014/12/28
2014年の12月3日、J-REITに新しい銘柄が上場されました。「積水ハウス・リート投資法人(銘柄コード3309)」です。
今回は、このREITについて分析してみました。
積水ハウス・リート投資法人とは?
積水ハウス・リート投資法人は、2014年9月8日に設立され、12月3日に上場したJ-REIT銘柄(銘柄コード3309)です。
名前からわかる通り、積水ハウス系列の投資法人で、資産運用会社である積水ハウス投資顧問株式会社は積水ハウス株式会社の100%子会社です。
JCRによる格付けでは、投資適格である安定的なAA-となっています。
設立間もない投資法人のため、投資総額はまだあまり多くなく、合計取得価格は1,143億円です。
積水ハウス・リート投資法人の基本方針には、「戦略的立地と高品質を柱とした商業用不動産への投資」と書かれています。空室率の低い、高利回りオフィスビル物件を中心として投資する方針なのでしょう。
現在所有している物件は、東京都品川区にある「ガーデンシティ品川御殿山」、「御殿山SHビル」と大阪市中央区にある「本町南ガーデンシティ」の3件です。
東京の物件はいずれも品川駅と五反田駅の中間あたりにあり、徒歩10分以上ですが、オフィスビルとしては問題ないでしょう。大阪の物件は本町駅に近い御堂筋沿いです。ともに、好立地物件と言えます。
現在の稼働率は100%ですが、2011年2月に竣工した新しい物件なので、まだまだ高水準の賃料や空室率が見込めそうです。
気になる分配金と利回りは
この3物件への投資で、2015年4月期は1,447円、10月期は2,201円の分配金を計画しています。なお、4月期は、物件の取得が12月3日のため、その分売上や配当が少なくなっています。
10月期から実質的な分配が始まるので、半期の分配金が約2,200円で1年で約4,400円として利回りを試算することができます。
12月26日現在の終値ベースで計算します。
投資口価格:133,700円
予想分配金:4,400円
年利回り:3.29%
※J-REITのポータルサイトでは、3%程度の利回りですが、4月期の分配金をベースにしているので、この試算とは異なります。
J-REIT全体での平均分配金利回りは、同日時点で3.05%なので、平均をやや上回ると言えます。しかし、今のところオフィスビルが中心なので、事務所主体型のものと比べると平均的な利回りです。
そのため、現在の投資口価格も、割高でも割安でもない水準です。
今後の事業展開
積水ハウス・リート投資法人のポートフォリオ構築方針は、「三大都市圏を中心(80%以上)とする、オフィスビル80%以上、商業施設・ホテル等20%未満」です。
オフィスビル中心のポートフォリオで、当面3%を超える利回りを確保することができそうですが、今後の物件取得によっては、利回りが下がる可能性もありえます。
他のREITでの平均的な利回りから判断すると、商業施設の利回りはオフィスビルと大差ありません。しかし、ホテルでの利回りは、オフィスビルよりもやや低くなっています。
そのため、比率は少ないもののホテルへの投資が増えると、一時的にやや利回りが下がる可能性があります。
海外物件への投資も戦略としており、「国内80%以上、海外20%未満」となっています。
投資対象地域は、シンガポール・オーストラリア・アメリカを中心となっているので、充分に経済発展した地域です。そのため、海外の物件を取得した場合、円高進行で利回り低下、円安進行で利回り上昇の可能性があります。
まだまだ投資総額が小さいREITのため、積極的な物件取得が続くと見られます。
現在保有する3物件同様、積水ハウスが保有する物件を取得することになりそうなので、よい物件を取得できる可能性は高そうです。
将来有望なREITと言えますが、三大都市圏のオフィスビル以外の物件を新たに取得することになる場合は、想定利回りがどれくらいかに注目しながら投資すべきREITだと言えます。
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