入門者必見!フィリピン不動産投資のポイントを徹底解説
2015/08/29
フィリピン不動産に興味を持っていても、不安や疑問があって踏み切れない方も多いのではないでしょうか?
最近では円安も進み、海外不動産投資には適さない時期かもしれませんが、今のうちにしっかり勉強しておかなければ、次の機会も見逃してしまうはずです。
この記事では、日本と比較して、フィリピンで不動産投資を行う場合のメリットとデメリットについて解説しています。
メリットだけ強調するものや、デメリットだけあげつらうページもいっぱいありますので、バランスよくしっかり把握できるように書きました。
それに加え、投資で失敗しないために必要なポイントも挙げています。
読者の皆様がフィリピン不動産のメリット、デメリットの両方をしっかりおさえ、投資をするかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。
1.フィリピンでの投資における5つのメリット
日本の投資環境に比べて、フィリピンが優れている点は大きく5つ挙げることができます。
①景気の良い経済
②評価が高くなる通貨
③人口ボーナス
④安定した政治
⑤利便性の高い場所
1つずつ見ていきましょう。
1-1.好景気の経済
フィリピン経済は、1990年代まで長期低迷に陥っていましたが、2000年以降は順調にGDPが増加しており、2012年以降では経済成長著しい東南アジア諸国の中でも指折りの経済成長を果たしております。(GDPは、2015年現在、世界で40位)
ちなみに、フィリピンの2015年のGDP成長率は世界第4位になるという予想もあります。(コチラの記事参照)
▼GDP成長率 データ元:世界銀行
▲ASEAN諸国の中ではミャンマー、ラオス、カンボジアに続き、第4位の成長率です。
経済成長の理由としては、旺盛な個人支出、在外フィリピン人労働者(OFW)からの送金、外資系企業の進出が挙げられます。(フィリピン経済についてもっと知りたい方は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの資料を参考にしてください。)
また、大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2014年5月8日にフィリピンの格付けを「BBB」へと、初めて引き上げました。日本格付研究所(JCR)も、フィリピンの国債格付けを2015年7月6日にBBB+にアップさせ、過去最高の評価になりました。
「どうせ、今だけでしょ。どこだって経済成長するもんだよ」と思うかもしれませんが、フィリピンは将来的にも高い成長が見込まれています。
世界最大の金融グループであるHSBCは、2050年にはフィリピンがGDPで、なんと世界第17位に入ると予想しています。
▼p4, The World in 2050 by HSBC Global Research
▲2050年のGDP予測。中国が1位になるというのは俄かに信じがたいのですが・・・
この資料では、フィリピンが2050年まで約5%の経済成長が続くと見ており、非常に注目されています。この通りに行くとは思いませんが、後で挙げる人口増加などの点からも、フィリピンの潜在力は高く評価して良いのではないでしょうか。
1-2.評価が高くなる通貨
フィリピンは、これからも経済成長が見込まれますが、経済成長によってお金の需要が高まり、それがペソ高につながります。
▼LOOBIZ.comより、フィリピンペソ・日本円
▲2015年8月27日現在、1ペソ2.57円。2012年から上がり始めたのが分かります。
逆に、円高ペソ安が進めば損することもありますが、現状2つの理由から考えにくいです。
①フィリピンの経済成長がこのまま続くであろうこと
②日本中央銀行が金融緩和をして円安を進めていること
たとえ、日銀総裁が変わり、金融緩和が是正されたとしても、経済成長を描けない日本と比べて、どちらの通貨が評価されていくかは明白なのではないでしょうか。
日本も頑張りたいところですが、ハイパーインフレなどで貨幣価値が下がった場合、海外投資は確かなリスクヘッジになります。
1-3.2050年まで続く人口ボーナス
フィリピン政府の人口委員会が2014年7月に人口1億人を突破したと発表しましたが、日本貿易振興機構(JETRO)のデータによると、フィリピンは人口ボーナスが2062年まで続くと予想されています。
人口ボーナスとは、総人口に占める生産年齢(15~65歳)の人口比率が高い時期を指し、経済の高成長を支える要件の1つとなるものです。
フィリピンの人口は年に約2%ずつ増えており、平均年齢が23歳と、周辺国に比べ圧倒的に若く、労働力が経済成長を押し上げています。2023年には日本を追い抜き、2050年には1億5540万人に達すると予測されています。
▼フィリピンの人口ピラミッド。 THE WORLD FACTBOOKより引用。
▲富士山型の構造で、圧倒的に若者が多いことが分かります。
今後、結婚して家を買う世代が増えるということで、不動産の需要が増え、価格が上がるというのは当然だというわけです。
1-4.安定した政治
2010年に誕生したベニグノ・アキノ3世大統領の下、汚職や不正の撲滅・外国からの積極的な投資誘致・財政再建が図られ政治の安定・健全性がより高まりました。それ以降、フィリピン証券取引所の株価指数(PSEi)は鰻上りで上昇し、2015年には8137を突破し、史上最高値を記録しました。
▼2011年9月28日、皇居にて今上天皇とベニグノ・アキノ3世大統領
▲今年2015年にも来日して話題になりました。2016年の時期大統領選挙以降、どのような政権ができるか注目されています。
アジアには、フィリピン以外にも経済成長著しい国がありますが、政治的な問題があります。例えば、タイでは2014年に軍事クーデターがありましたし、ミャンマーは軍事政権で多くの不自由があります。中国にしても、歴史問題、領土問題で日本との間に軋轢があるのは周知の通りです。
また、テロにしても、イスラム教徒の多いインドネシアやマレーシアよりかは起きる確率は低いと思われます。(ミンダナオ島にもイスラム解放戦線がありますが、一部に限られています。実際、フィリピンで一番治安が良いのがミンダナオ島の大都市ダバオと言われています)
フィリピンも第二次世界大戦で旧日本軍が戦争したということで、日本に反感を持っている人もいるでしょうが、実際に行ってみると基本的に親日という感じがしますし、同じ島国として感性も似かよっているのではないかと思います。
1-5.利便性の高い場所
日本からは飛行機で約4時間、時差は-1時間で、かなりお手軽に行けるのが魅力です。また、その他の東南アジア諸国にも4 時間前後で行けることは大きなメリットになります。まさに東南アジア域内の中心に位置し、ハブ的役割を担えるのがフィリピンなのです。
自分の不動産がどうなっているかはやはり気になると思いますが、やろうと思えば1日で見て帰ってこれる距離にあるというのはメリットでしょう。
▲日本にも4時間、他の東南アジア諸国へも4時間で行けると考えておいて良いと思います。便利ですよね。
2.フィリピンでの投資における3つのデメリット
日本の投資環境に比べてフィリピンにおける投資のデメリットは、大きく3つ上げられます。
①日本より悪い治安
②商慣習の違い
③言語の壁
良いところもあれば、悪いところもあるのは当然ですよね。こちらも、1つずつ見ていきましょう。
2-1.日本より悪い治安
日本は世界的にも治安の良い国なので、日本と比べるとやはりフィリピンの治安は悪いです。下の図は、国連薬物犯罪事務所が発表している世界各国の犯罪の統計です。数字を見る限り、殺人は31倍、強盗は焼く25倍、強姦は9倍となっています。
殺人 | 強盗 | 強姦 | |
日本 | 0.3 | 2.6 | 1.1 |
フィリピン | 9.3 | 50.1 | 9.0 |
アメリカ | 3.8 | 107.8 | 24.9 |
▲2013年の10万人当りの発生件数 (UNODC STATISTICSより)
フィリピン経済・金融・投資情報が2003年から2012年の10年間で、海外の邦人殺害件数第1位がフィリピンと報じられました。10年間で30件ということで、1年当たり3人です。2013年の海外邦人援護統計では1件です。
日本と同じように過ごしては危険なところもあるわけで、注意が必要です。
2-2.商慣習の違い
日本で不動産を購入すると、宅建士から重要事項説明を受けてからサインというように、不動産購入経験者は良く知っていると思いますが、日本はフィリピンと商慣習が異なるので、いろいろ戸惑うことが出ると思います。
重要事項説明がないので、どこまで説明するかは、グレーゾーンになります。日本語に対応してくれて、かつ信頼できる業者が必要ですが、自分自身でもしっかり確認する必要があります。
「この部屋に欠陥が見つかった場合、誰がどういう対応をするのか」など、ちゃんと確認しましょう。
そして、口頭では言った言わないになるので、どの書類に書いてあるのかも確認しておくのが正解です。
2-3.言語の壁
フィリピンの公用語はフィリピノ語(タガログ語)と英語で、これが日本人にとっては壁になります。(他にも80前後の言語があり、識字率95%で、英語を話す人口が世界で3番目に多いです)
公用語が英語であるということはビジネスにとっては圧倒的に強みであり、それゆえ、多くの外資系企業がコールセンターをフィリピンに置くなど、経済活性化につながっているわけです。
フィリピンには多くの英語学校がありますので、フィリピンの現状を知るついでに通ってみるのも面白いと思います。このデメリットは、むしろメリットとして活かしたいものです。(そうすれば、英語圏に不自由なく旅行にも行けますし、ビジネスもできるかもしれません)
80前後の言語があります。ただ、英語はアメリカ・イギリスに次いで世界で3番目に英語を話す人口が多い国です。また、識字率も95%超となっております。
3.失敗しないための物件の選び方3つのポイント
フィリピンの不動産投資を実際にするうえに当たって、成功するためには大きく次の3点に注意することが必要です。
①優良なサポート会社の選出
②発展著しい地区の選択
③実際に見て確認すること
日本での不動産購入にも多くのチェックポイントがあると思いますが、海外不動産投資をする上で大事なポイントです。
3-1.優良なサポート会社を選出するための5つの注意点
不動産の購入、購入後の管理をしっかりするためには、優良なサポート会社を選ぶことが不可欠ですが、大きく5点は注意しておきましょう。
①日本語対応をしてくれるか
②現地法人はあるか
③管理体制は万全か
④税金や手続きに詳しいか
⑤ホスピタリティのあるおもてなしをしてくれるか
日本で買う場合と何が違うか考えると分かりやすいかもしれません。日本語対応をしっかりしてくれることや、さらに迅速に対応してくれるかなど、購入前のコミュニケーションでしっかり見極めたいものですね。
3-2.発展著しい地区の選択
メトロマニラでは、2019年まで平均して8000室のコンドミニアムが供給されるという見通しがあり、そのためコンドミニアムの供給過多が深刻になると見られています。そのため、発展著しい場所の選択や高級コンドミニアムを選ぶ必要があります。
以下の図は、コリアーズインターナショナルが、四半期ごとに出しているフィリピン経済についてのレポートからの引用です。
▼メトロマニラの主要地区の土地価格推移(単位:ペソ/平米)
場所 | 15年1Q | 15年2Q | 対前期変化率 | 16年2Q(予想) | 年間予想変化率 |
マカティCBD | 32.8~56.0万 | 33.3~57.2万 | 2.00% | 35.5~61.7万 | 7.37% |
オルティガスセンター | 12.5~19.8万 | 12.7~20.3万 | 2.10% | 13.7~21.9万 | 8.24% |
フォートボニファシオ | 27.3~50.0万 | 27.7~51.1万 | 1.97% | 29.2~55.6万 | 7.65% |
▲主要地区では、土地価格が年間7~8%上がっていることが分かります。
▼マカティのコンドミニアムの空家率
15年1Q | 15年2Q | 16年2Q | |
高級住宅 | 4.30% | 3.85% | 4.41% |
その他 | 8.66% | 8.21% | 12.83% |
全体 | 7.96% | 7.64% | 11.77% |
▲高級住宅の空家率は一定していますが、それ以外のコンドミニアムの空室が増加が予想されます。
高級住宅以外では、自分で住むなら構いませんが、投資として考えると厳しくなってくるというわけです。
3-3.実際に見て確認すること
投資先を選ぶ際、必ず現地に行って調査するべきですが3つ理由があります。
①物件状況の詳細は写真や映像でも分かりづらいため。
②実際に見て感じることで、何か足りないものがあるかを確認するため。
③投資は結局は自己責任になってしまうため。
実際にモノを見ることなく選ぶことは、他人任せでしかありません。しっかり自分で見て感じて、何が足りないかを考えたり、自分が心から所有したいかどうか考えることが必要です。
もちろん、現地に赴いて実情に詳しい人のアドバイスを受けるのも有益でしょう。
4、最後に
以上、フィリピン不動産投資について見てきましたがいかがでしたでしょうか?
フィリピン不動産については、メリットばかり並べていたり、逆にデメリットばかり羅列していたりなど、様々なサイトがあるのは検索すれば分かるかと思います。
ですが、まずはフィリピンの現状をしっかり確認しておきましょう。それから、個人個人のいろいろな話を見て判断していけると良いですよね。
この記事が、フィリピン不動産を考える上で参考になれば幸いです。
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