フィリピンの同族経営の企業の事業承継計画【英国経済誌EIU調査】
イギリスの経済雑誌「エコノミスト」の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)によると、国内最大の複合企業などを含む同族経営のフィリピン企業は、比較的、後継者問題について問題はないという。
EIUレポートによると、東南アジアの同族経営の事業継承計画が地域への投資を高める上で重要な要因となっている。インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピンの250社におよぶ同族経営の企業に対して行った調査では約67%が継承計画を持っており、より重要なことは、そのうち71%は継承計画は取締役会の承認を得ている。
継承者計画があるフィリピンの同族企業は60%
フィリピンでは、調査対象者の60%は、経営者の後継問題に関して誰に決まっているかを述べた。しかしながら、事業継承計画があるインドネシアの78%、タイの74%、マレーシアの66%に比べるとフィリピンの60%という数字は低いレベルである。アセアン・グループの5ヶ国の中で、シンガポールは58%で、継承計画を有する企業数が最も少ない。
事業継承問題は、単に次の経営者を誰にするかを決定するのではなく、将来世代に引き継がれる経営問題を明確にし、企業のビジョンを示すものとなる。
東南アジアの企業では、次世代の経営者の地位と役割とを決めることは長期な成功のために極めて有益である。投資家から信用されると会社への投資が増え、消費者からも信頼されるからだ。
正式な後継者計画がないことは、投資家には重要なリスク要因だ。同族経営にも様々なストレスはある。たとえば、継承計画のない企業で、将来の方向性をめぐって兄弟間の確執や相違があるのは不安材料だ。
フィリピンやインドネシアの同族企業の経営者は、経営を退いた後、同族に経営を引き継がせるか有能な人材に経営を任せるか、いずれにせよ、企業が成功し続けることが最も重要だと考えている。
同族企業の経営者問題は、東南アジアでも非常に重要な問題である。
EIUの調査対象の約74%が最も有能なリーダーは男女を問わず、会社を経営し、同族であるかどうかは問わないと答えたが、現実は違っている。
同族企業の97%の事業は家族に継承、92%は息子が引き継ぐ
すでに創業者が経営していない企業の97%が同族によって経営され、子どもたちに現在の事業は継承されている。そのうち92%は息子である。男女の役割への態度はアセアン地域でも、都市部では異なる。特にシンガポールの都会では核家族化が進み、女性や外部人材への機会が増えている。
フィリピンの同族経営者の82%とインドネシアの同族経営者の90%は、企業では最も有能な人材が事業を引き継ぐべきであると考えている。
調査によると、経営者の継承計画を持っている同族企業は大半にもかかわらず、会社の同族経営の構造は、向こう5年間では役員の約75%は変わらないことを望み、10年間では、役員の約50%は変わらないことを期待している。
2014/11/24
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