世界的な潮流へフィリピンの適応
世界有数のビジネススクールの一つ、スペインのバルセロナのIESEビジネススクールで出版された本、「世界的傾向:変化する世界に直面して」は、今後20年間の経済、政治、などの環境や課題を洞察。脅威と機会を評価するこの本の分析はビジネスや政治を考えるときの参考になるだろう。
フィリピンのGDPは、2050年、世界で第16位になることを香港上海銀行が予測しているが、脅威に備え、適切な解決策を講じない場合、フィリピンが最悪の結果を免れるとは限らない。
エイドリアン・ドーン博士(ロンドン・ビジネス・スクールで博士号を取得)は、21世紀に入っても継続する世界的な動向を概説しているので、いくつかを紹介しよう。
「世界的傾向:変化する世界に直面して」
1. 最近の大不況の傾向は短期的には消滅しない。特にヨーロッパでは、長期債務と非常に低いGDP成長率と雇用率に苦しむ「新しい平凡」が先進国では続く。「冷静な投資家、緊縮政策と労働市場改革など危機の後に新しい経済時代がやってくる。」
2. 地政学的な力学は、かつてのG-7(特に欧州、米国、日本)から、BRIC(ブラジル、ロシア、インド、中国)へ移り、さらにアセアン経済共同体の新興国、次の11ヶ国(N-11)の中でもVIP(ベトナム、インドネシア、フィリピン)の新興市場に向けシフトする。21世紀はアジアの世紀と呼ばれており、中国、インド、ASEAN経済共同体という3つの経済大国が競合するだろう。「20世紀の現状は確かに変わる。新世界秩序への移行がスムーズであるかどうかは、関係する全ての国の動向に依存している。」
3. 技術開発はさらに創造的破壊を生み出す。デジタル化についていけない個人、企業、社会は取り残されるだろう。
4. 気候変動などの危機に際して、フィリピン人は日本人のように振る舞うことを学んでいる。
アセアンASEAN経済共同体の成長
5. 水不足の問題からくる食料不足は、中国で深刻化すると予測される。タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムなど東南アジア諸国で農産物の生産性を改善し、農業経済の機会を創出するだろう。中国は果物、野菜、畜産、漁業などの高付加価値の農水産物のための大きな市場になり、アセアンASEAN経済共同体の国内市場も成長が見込まれる。
6. 音による教育を通じて人的資本への投資の重要性が増加するだろう。フィリピン、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、他のアジア諸国のような国での大量の貧困層への最も重要な解決策は、小学校レベルでの質の高い公教育への投資だ。すでに中所得層に達している人々は、特に工学や科学などの質の高い大学教育に人的な資源を集中させることが経済発展のためには重要だ。
7. 世界の人口は増加し続け、2050年頃に安定。人々の平均寿命は長くなるが、発展途上国では若い人々が多いのに充分な仕事の機会がないため、異国で働く人々も増える。世界的な人口動態の影響は、フィリピン経済を長期的に持続可能にする。
海外のフィリピン人労働者からの送金やフィリピンの医療観光の可能性、およびビジネス·プロセス事業や知識処理の外注化ビジネスの重要性の高まりなど需要が見込める。
* まとめ
現在、フィリピンから日本に毎年、21万人が出稼ぎに来ているが、フィリピンに滞在している日本人は約1万7千人だ。フィリピンがさらに発展するためには、日本からの人的資源の移動も重要なカギとなるだろう。
2015/02/02
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