マニラ港のコンテナ貨物船の混雑が正常化に
フィリピンの7%の経済成長の足を引っ張っていたのが物流インフラの未整備だ。
首都圏への通勤者の交通渋滞緩和をめざして1年前に実施されたマニラ首都圏へのトラックの乗り入れ規制の煽りを受け、マニラ港ではトラックで積荷が運ばれる貨物船の搬入・搬出が滞り、昨年は、好調な経済成長の足を引っ張っていた。
マニラ首都圏のトラック通行規制を解除、マニラ港が正常化
フアン駅のフィリピン港湾局(PPA)部長によると、マニラ首都圏のトラック通行規制が昨年9月13日解除されてから、アナ、マニラ国際コンテナターミナル、マニラ南ハーバーでは最近、貨物船で毎時間1クレーンあたり18本のコンテナを平均搬入している。
マニラ首都圏でトラック通行規制が実施されていた2014年2月10日頃、貨物船搬入の生産性レベルは、二つの港では、毎時間1クレーンあたり14~15本のコンテナを平均搬入していたので、改善されたと考えられている。ちなみに、マニラの港で生産性が良いとされる数値は、貨物船で毎時間1クレーンあたり24本のコンテナ搬入である。
マニラの輸出入港の混雑は改善されつつある。すべての港湾の効率を表すパラメーター指標は、正常に戻ってきている。マニラ港のヤード利用の平均レベルは、最適と考えられている数値の80パーセントに回復している。
スービック港とバタンガス港では貨物船の停泊料90%を割引中
先日、マカティ市で開催された「フィリピン港と輸出入エキスポ」でジュリアニト・ブカヤン交通次官(フィリピン港湾局部長会の会長代理)は、マニラ港の混雑レベルが大幅に改善しているものの、引き続き港湾での搬入・搬出を円滑化するプロジェクトを実施し、マニラの港湾問題を改善することに特別な懸念を示した。
港湾関係者によると、マニラ港の代わりにスービック港とバタンガス港を利用している貨物船の停泊料を90%割引している問題の今後の見通しは、検討中だ。
現実問題として、マニラ港を迂回するすべての貨物船の停泊料の90%割引を永遠に実施することはできない。
マニラ港に不足しているコンテナヤード問題
今後、政府は、マニラ港でコンテナ貨物船の搬入・搬出を円滑に運営するために、新規のコンテナヤードを建設するなど周辺の問題に対処する必要がある。
現在、港湾内部における運営問題は改善されつつあるが、新たなコンテナヤード建設問題は、政治課題でもある。
現在、マニラ港に貨物船が10隻、入港する場合、少なくとも9隻が停泊を待たされている。目下、貨物船の待ち時間の平均は、2日に短縮されている。
フィリピン日本人商工会議所によると「フィリピンに進出している企業にとって物流の改善は大きな問題の一つ。基幹港であるマニラ港の混雑を早急に改善し、またバタンガス港及びスービック港がより活用されるようにすることが大事」と説明している。
バタンガス港及びスービック港は、ルソン島の成長エンジンであり、スービック~クラーク~マニラ~バタンガス地域の経済発展を促進させる重要な港湾として、日本の支援で建設された。両港の発展は、またマニラ港に集中するコンテナ貨物を分散させ、深刻化するマニラ首都圏の交通混雑の緩和にも寄与している。
2015/02/13
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