紛争で荒廃したコタバトに 「平和の学校」を2校、日本が寄贈
フィリピン南部の島、ミンダナオ島では、政府軍とイスラム教徒による反政府軍(MILF)との間で、40年以上、現在にいたるまで武力衝突が続いている。
この紛争で、過去20年間で12万人が殺害された。
フィリピン国民の9割はキリスト教徒だが、人口の5%を占めるイスラム教徒の「モロ人」は、ミンダナオ島で独立を求めて紛争をくり返している。
緑の地域が、イスラム教徒の多いミンダナオ自治区
フィリピン、ミンダナオ島のコタバト市に本部を置くミンダナオ国際監視団に日本から国際協力機構JICAの職員も派遣されている。
平和構築のための学校を日本が建設
日本大使館とJICAは、『Japan Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development: J-BIRD』の旗の下、技術協力、有償資金協力、草の根無償資金協力などを通して、和平合意に貢献するための社会・経済開発援助を行っている。
コタトバでのJICAの取り組みは、日本政府による、政治レベルと開発レベルが協働した平和構築への初めての事例だ。
イスラム自治区で頻繁におきる武装集団による小競り合いによって、教育が受けられない子供たちのために地域に二つの 「平和の学校」を寄贈すると日本大使館は、発表した。
北コタバト州ピキットで荒れ狂う過去、数週間にわたる紛争の煙をはらすようなニュースだ。
石川和秀・駐フィリピン大使によると、日本政府はピッキトでダトゥ・ビトル・マンガンサカン記念高校とマパグカヤ小学校の入学者のために、学校の即時建設に250万ペソを割り当てたと発表。
ミンダナオ島、イスラム教徒による戦闘で約1万人が避難中
ピキットは、これまでに何度も紛争に巻き込まれている。最近ではモロ·イスラム解放戦線(MILF)とバンサモロ・イスラム自由の戦士(BIFF)による紛争がある一方、他方では、BIFFイスラムのゲリラを制圧する軍事力による戦闘も起きている。
政府の報告書によると、2週間前におきたイスラム解放戦線とバンサモロ・イスラム自由の戦士による地域管理をめぐる紛争と、引き続きおきた先月末の政府軍と警察が共同で行ったイスラム勢力への戦闘で、少なくとも1982世帯(10664人)がピキットの6つの村から避難した。
北コタバト州メンドーサ知事によると、避難民の2,000人以上が学校に通う子供だった。学校教育の破壊が、さらに多くの反政府勢力を増やす可能性があり、紛争の継続に知事は懸念を表明している。
石川大使は、ミンダナオのバンサモロ地域における平和教育と紛争解決の「能力構築プロジェクト」を現地の日本の活動団体を通じて「平和の学校」を2校、建設するためアイキャン-フィリピン(日本からの非政府団体NGO)と2月25日、合意の覚書を締結。
フィリピンでは、2002年からこれまでに日本政府による計38件の贈与契約が締結されており、支援総額は約6億円に上る。
紛争による貧困、貧困による紛争という負のスパイラルを断ち切るために、子ども達への教育は不可欠だ。 十分な教育を受けて育った子ども達が、地域のリーダーとなり、貧困による不満解消のテロの連鎖をなくしていくことこそ、日本が成しうる国際貢献でもある。
2015/03/05
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