給料の高い仕事がフィリピンに人を残すカギ
2015/05/02
下の記事は、The
Manila Timesの記事の全訳です。
労働力豊富なフィリピンの大きな問題についてです。
少し長いですが、フィリピンの労働状況が分かって興味深いと思います。
______________________________________________________________________________________________________________________________________________
世界中の多くの国が5月1日のメーデーを祝ったが、ある議員がフィリピン人を国内にとどめて働かせるために、フィリピン政府に雇用と高い賃金の仕事を供給することを強くうながした。
上院議員のソニー・アンガラによると、フィリピン人に待遇の良い海外の仕事を探させて、権利の乱用や人身売買の犠牲者にすることがないように、フィリピン政府は国民にもっと質の良い雇用機会を与えるべきだという。
「フィリピン人が海外で働くための費用は私たちが思っている以上に高い。送金は確かに経済を活性化させるが、私たちは本当に世界の職業紹介所になりたいのだろうか?尋ねてみれば、おそらく多くの人が、給料の高い仕事があるなら自国に住みたいと答えるだろう」と、金曜日、労働と雇用、人的資源に関する委員会の議長であるアンガラは言った。
外務省(DFA)によると、人身売買の犠牲者は2013年全体で1,135人に上る。一方で、フィリピン人の海外労働者で3月までに死刑宣告を受けた者(主な原因は薬物売買)は88人になっているとのことである。
また、フィリピン海外雇用庁(POEA)は、2007~2011年にかけて平均1,600に及ぶ違法なリクルート事件を処理していて、海外労働者福祉庁(OWWA)も、2009年から2013年にかけて年間50,000件以上の事件を扱っている。
2014年の労働力調査によると、7万人が雇用に付いている一方で、290万人のフィリピン人が雇用されていない状況であるということだ。
さらに、その調査によると、失業者の62%、つまり180万人に及ぶ人々が高卒、大卒、さらに学士号を持っているとのことである。
「皮肉なことに、学校卒業者の多くが職がないことに悩まされている。調査によると、大学生の新卒が職にあり付けるまで、18ヶ月から24ヶ月かかるという」と、その上院議員は語った。
「フィリピンの労働力は毎年約1万人ずつ増えており、この数字は自国では吸収しきれない。それゆえ、フィリピン人は家族を支えるため、権利の乱用や搾取される危険に直面しながらも、海外でより給料の良い仕事を探さなければならない」とアンガラは言った。彼は、最近労働の法と規制の見直しを求める決議を提出した。
一方で彼は、自らの稼ぎで起業しようとする海外労働者を帰国させるプログラムを整備していることを賞賛した。彼が求めているのは、「海外移住を必要性からではなく、選択肢の一つにすること」であり、それは国内で給料の良い仕事を供給することによって可能になるという。
アンガラは、国内で(特に田舎で)厳として存在する失業問題に立ち向かうため、公共職業安定所(PESO)のネットワークを拡張する必要性を強調した。
「私たちは、各地方、各公共団体に職業募集代理人を送り、公共職業安定所の拡張を迫っている。それが、レポートにもあるような2年も就職活動する新卒たちの助けとなる」と、上院議員は語った。
彼は、若いフィリピン人に技術と雇用機会をを与える職業訓練に関する法の可決にも尽力している。彼によると、多くの訓練者が会社に雇用されているということである。
「仕事を創出するプログラムは別として、高い給料を保障する一つの方法に、中間層に重くのしかかる税金のシステムを変えることがある。より機動的で、社会のためになるように、税金のシステムを先進的、平等にするのだ」と、13ヶ月目の給料(ボーナス)を免税し、労働者の利益となる法を最近起草したアンガラは言った。
現在のシステムは1997年から変わっておらず、月に60,000ペソ以上稼ぐアッパーミドル層は課税区分のトップになっていて、フィリピンの億万長者はそれと同じだけしか納税していない。
歳入委員会議長は、課税区分はインフレに適応させるべきで、フィリピン人の最近の給料状況にあわせ、敏感に対応すべきだと強調した。
_____________________________________________________________________________________________________________________________________________
海外労働者が多いフィリピンですが、やはり、自分の故郷で働きたい人も多いはずで、その人々に仕事を与えなければならないというお話です。
チップを取られるとどうも損した気分になりがちですが、労働者の日々の生活の足しになっていると思えば、そこまで悪い気がしないかもしれませんね。
投資を考えるなら、当然その国の問題も知らなければなりません。投資がその国のためになったら良いですね。
フィリピン・マニラでハイクオリティな日本式リノベーションを。
Tokyo Grand Renovationは、あなたにふさわしいリノベーションをお届けします。